スマホを仕事用に買ったら、
経費の処理は価格の境目で決まる。
iPhone 18 Proの発表を機に、仕事用スマートフォンの買い替えを考えている方も多いと思います。スマートフォンの代金を一度に経費にできるかどうかは、取得価額が10万円・20万円・40万円のどこに入るかと、税込経理か税抜経理かで変わります。国税庁の公開情報をもとに処理の分かれ目を整理し、Apple公式の販売価格がどの区分に入るかを一覧にしました。
先に知っておきたいこと
取得価額で変わる3つの処理
その年に全額を経費
取得価額が10万円未満(または使用可能期間が1年未満)なら、業務に使い始めた年に全額を必要経費にします。Apple公式ストアで販売中の新品iPhoneは、最も安いモデルでもこの範囲に入りません。
3年で均等に経費(一括償却)
一括した資産の取得価額の合計額の3分の1ずつを、使い始めた年から3年間、経費にできます。国税庁の説明では、この方法の要件に青色申告は挙げられていません。
青色申告ならその年に全額(特例)
一定の要件を満たす青色申告者は、取得価額の合計300万円までを使い始めた年に全額経費にできます(令和11年3月31日までの取得分)。一括償却を選んだ資産には使えません。
取得価額が40万円以上の場合と、上の方法を選ばない場合は、法定耐用年数に沿って毎年少しずつ経費にする通常の減価償却になります。耐用年数は財務省令の別表の区分で決まるため、本記事では年数を断定していません。
区分ごとに選べる処理
| 取得価額の区分 | 青色申告の場合に選べる処理 | 青色申告でない場合に選べる処理 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 全額をその年の経費 | 全額をその年の経費 |
| 10万円以上20万円未満 | 少額減価償却資産の特例/一括償却(3年)/通常の減価償却 | 一括償却(3年)/通常の減価償却 |
| 20万円以上40万円未満 | 少額減価償却資産の特例/通常の減価償却 | 通常の減価償却 |
| 40万円以上 | 通常の減価償却 | 通常の減価償却 |
少額減価償却資産の特例は、令和8年4月1日から令和11年3月31日までに取得した資産が「10万円以上40万円未満」の対象です。令和8年3月31日までに取得した資産は「10万円以上30万円未満」のままです。出典:国税庁 No.2100 減価償却のあらまし ↗(2026年9月10日確認)
税込か税抜かで、同じiPhoneでも区分が変わる
取得価額に消費税を含めるかどうかは、経理方式で決まります。税込経理なら消費税込みの金額、税抜経理なら消費税を除いた金額で判定します。免税事業者は税込経理になります(国税庁 No.2100)。インボイス登録をしていない免税事業者の方は、下の表の「税込経理」の列を見てください。
| モデル・容量 | Apple公式価格(税込) | 税抜換算(参考) | 税込経理での区分 | 税抜経理での区分 |
|---|---|---|---|---|
| iPhone 17e(最小構成) | 124,800円〜 | 113,454円〜 | 10万円以上20万円未満 | 10万円以上20万円未満 |
| iPhone 17(最小構成) | 159,800円〜 | 145,272円〜 | 10万円以上20万円未満 | 10万円以上20万円未満 |
| iPhone Air(最小構成) | 189,800円〜 | 172,545円〜 | 10万円以上20万円未満 | 10万円以上20万円未満 |
| iPhone 18 Pro 256GB | 219,800円 | 199,818円 | 20万円以上40万円未満 | 10万円以上20万円未満 |
| iPhone 18 Pro 512GB | 254,800円 | 231,636円 | 20万円以上40万円未満 | 20万円以上40万円未満 |
| iPhone 18 Pro 1TB | 324,800円 | 295,272円 | 20万円以上40万円未満 | 20万円以上40万円未満 |
| iPhone 18 Pro 2TB | 429,800円 | 390,727円 | 40万円以上 | 20万円以上40万円未満 |
| iPhone 18 Pro Max(最小構成) | 239,800円〜 | 218,000円〜 | 20万円以上40万円未満 | 20万円以上40万円未満 |
| iPhone Duo(最小構成) | 364,800円〜 | 331,636円〜 | 20万円以上40万円未満 | 20万円以上40万円未満 |
税抜換算は税込価格を1.1で割った参考値です(1円未満切り捨て)。「〜」は最小構成の価格で、容量を増やすと区分が変わることがあります。下取り・通信キャリア割引・分割払いの条件は含めていません。iPhone 18 Pro/Pro Maxの予約注文は2026年9月12日から、iPhone Duoは10月16日からと公式ストアに記載されています。出典:Apple iPhone 18 Pro購入ページ ↗/Apple iPhone購入ページ ↗(2026年9月10日確認)
仕事とプライベートを兼ねて使うなら
1台を仕事と私用の両方に使う場合、その支出は「家事関連費」にあたります。国税庁は、家事関連費のうち必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる部分だけと説明しています。本体の経費化する金額も、毎月の通信料も、仕事に使った割合を説明できる根拠を残したうえで区分してください。
「50%を超えないと経費にできない」という説明の正誤や、条文・通達の根拠は家事按分はどこまで経費にできるかで整理しています。
出典:国税庁 No.2210 必要経費の知識 ↗(2026年9月10日確認)
購入後の記帳まで考えるなら
金額の区分を確認した後は、購入時の領収書、仕事に使い始めた日、私用と兼用する場合の割合を説明できる記録を、同じ場所に残しておくと整理しやすくなります。ここで必要なのは、申告書の作成だけか、日々の取引や請求書もまとめて管理したいかを決めることです。
たとえば架空の例として、仕事用スマホを買った個人事業主が、口座・カードの明細と領収書を一緒に管理したい場合を考えます。この場合は、会計ソフトを選ぶ際に「明細の取り込み」「領収書の整理」「申告時のサポート範囲」を見比べると、料金だけでは見えない違いを確認できます。この記事は記帳方法や経費算入を個別に判定するものではありません。
個人事業主向け会計ソフト3社の比較を見る。機能・料金の考え方・サポート範囲を並べており、記事内には広告提携の有無も明記しています。選んだ後は各社の公式ページで現行条件を確認してください。
確認しておきたい点
- 判定するのは取得価額。36回払いの月額(例:iPhone 18 Pro 256GBで6,105円/月)で判定するわけではありません。
- 経費にする年は「業務に使い始めた年」。国税庁の説明は、いずれも「業務の用に供した年分」を基準にしています。注文日ではなく、仕事で使い始めた日を記録しておくと整理しやすくなります。
- 特例の300万円は年間の合計。少額減価償却資産の特例は、その年に取得したパソコンなど他の資産と合算して300万円までです。
- 40万円未満の対象は取得日で決まる。令和8年3月31日までに取得した資産は、従来どおり30万円未満が対象です。
- 下取りや割引がある場合。下取り額や通信キャリア割引がある場合の取得価額の扱いは契約内容で変わるため、税理士または税務署に確認してください。
関連ページ
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.2100 減価償却のあらまし(令和8年4月1日現在法令等) ↗
- 国税庁 タックスアンサー No.2210 必要経費の知識(令和8年4月1日現在法令等) ↗
- Apple(日本)iPhone 18 ProとiPhone 18 Pro Maxを見る ↗
- Apple(日本)iPhoneを購入 ↗
すべて2026年9月10日に確認しました。制度・価格は変わることがあるため、手続きや購入の前に各公式ページをご確認ください。

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