キーボードは、仕事で毎日触る道具のひとつです。商品ページには「Bluetooth」「マルチペアリング」「パンタグラフ」「キーピッチ」など、初めて見ると分かりにくい言葉が並びます。ここでは公式サイトで仕様が確認できるワイヤレスキーボード4製品を、幅・重量・接続方式と同時に登録できる台数・電源と電池の持ち・保証期間・表示価格という「公式が数値や仕様として出す項目」だけで比較します。
打鍵感や静かさ、疲れにくさなどは、実際に使ってみなければ分からない情報のため、この記事では扱いません。「こういう条件の人に向く」という条件の提示にとどめています。4製品はすべて筆者が使ったものではなく、市場にあるキーボード全体を網羅した比較でもありません。公式情報の確認日は 2026年10月3日です。
先に知っておきたい用語
- Bluetooth(ブルートゥース):専用の受信機(レシーバー)なしで、パソコンやタブレット、スマートフォンと無線でつなぐ規格です。Bluetoothに対応していない機器では、別売のアダプターが必要になる場合があります。
- マルチペアリング:あらかじめ登録(ペアリング)した複数の機器を、ボタンひとつで切り替えて使える機能です。台数の上限は製品ごとに公式ページの表記があり、表(2)に載せています。
- キー配列(日本語配列):キーの並びです。エレコムの2製品は「日本語配列」、ロジクールの2製品は「日本語 (QWERTY)」と公式に書かれています。
- パンタグラフ/メンブレン:キーの内部構造の種類です。エレコム TK-FBP102BKの公式ページは、パンタグラフ方式を「ノートパソコンのキーボードと同じ」方式と説明しています。
- キーピッチ/キーストローク:キーピッチは隣り合うキーの中心から中心までの距離、キーストロークはキーを押し込む深さです。どちらも数値で書かれている製品だけ比較できます。
- テンキー:キーボード右側の数字をまとめて入力するためのキー群です。数字入力が多い作業では、あるかどうかが選ぶ条件になります。
比較表(1)基本仕様
| 製品 | キー配列・キー数 | 幅 | 重量 | 保証期間 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| ロジクール Pebble Keys 2 K380s(K380sGR) | 日本語 (QWERTY)。キー数は公式ページに記載なし | 279mm | 415g(電池を含むかは公式ページに記載なし) | 2年間無償保証 | 5,280円 |
| ロジクール MX Keys S(KX800sGR) | 日本語 (QWERTY)。キー数は公式ページに記載なし | 430.2mm | 810g | 2年間無償保証 | 21,780円 |
| エレコム TK-FBP102BK | 日本語配列・78キー | 286.5mm | 約264g(電池含まず) | 6カ月間 | 6,809円 |
| エレコム TK-FBM120KBK | 日本語配列・109キー | 441.5mm | 約515g(電池含まず) | 6カ月間 | 6,492円 |
価格はロジクール公式ショップとエレコム公式の製品ページに表示されている税込の金額です(エレコムの税抜表示は TK-FBP102BK が6,190円、TK-FBM120KBK が5,902円)。ロジクールのページには「2点以上の購入で15%OFF」などのオファーが表示されていましたが、表は単品の表示価格です。寸法はいずれも各社公式の表記のままで、ロジクールは「高さ・幅・奥行き」、エレコムは「幅・奥行・高さ」の順に書かれています。両社で測り方が同じかは公式ページから分からないため、表では測り方の違いの影響を受けにくい「幅」だけを比べています。重量は、エレコムが「電池を含まず」と書いているのに対し、ロジクールのK380sは電池を含む重さかどうかが書かれていないため、数値を並べて優劣を判断することはできません。
比較表(2)接続方式と電源
| 製品 | 接続方式 | 同時に登録できる台数 | 電源 | 電池の持ち(公式の表記) |
|---|---|---|---|---|
| ロジクール K380s | Bluetooth Low Energy。Logi Bolt USBレシーバー(別売)にも対応 | 最大3台 | 単四形アルカリ乾電池×2 | 36ヶ月(使用状況により異なる) |
| ロジクール MX Keys S | Bluetooth Low Energy、またはLogi Bolt USBレシーバー | 最大3台 | 充電式(USB-C)。リチウムポリマー1500mAh | フル充電後、プリセット設定で最長10日間、バックライトをオフにした状態で最長5ヶ月間(使用状況により異なる) |
| エレコム TK-FBP102BK | Bluetooth 3.0 Class2 | 3台 | 単4形アルカリ乾電池・マンガン乾電池・ニッケル水素2次電池のいずれか2本 | アルカリ乾電池使用時の目安 約1.1年(当社テスト値) |
| エレコム TK-FBM120KBK | Bluetooth 5.0 Class2 | 3台 | 単4形アルカリ乾電池・マンガン乾電池・ニッケル水素2次電池のいずれか1本 | アルカリ乾電池使用時の目安 約8カ月(1日8時間のパソコン操作を想定) |
電池の持ちは、各社が示す前提(使い方の想定やバックライトの設定)が違うため、数字だけを並べて長短を決めることはできません。
比較表(3)キーの仕様
| 製品 | キータイプ | キーピッチ | キーストローク |
|---|---|---|---|
| ロジクール K380s | 「くぼんだ形状の薄型キー」と記載。タイプ名は公式ページに記載なし | 公式ページに記載なし | 公式ページに記載なし |
| ロジクール MX Keys S | 公式ページに記載なし | 公式ページに記載なし | 公式ページに記載なし |
| エレコム TK-FBP102BK | パンタグラフ | 19.0mm | 2.0mm |
| エレコム TK-FBM120KBK | メンブレン | 19.0mm | 2.5mm |
キーピッチ・キーストロークを数値で比べられるのは、公式ページに書かれているエレコムの2製品だけです。ロジクールの2製品は、取得した公式ページにこれらの記載を確認できませんでした(ないことの保証ではなく、このページで確認できなかったという意味です)。
製品ごとの公式ページの説明(表にない点)
ロジクール Pebble Keys 2 K380s
公式ページは、スリムでミニマリストなBluetoothキーボードと説明し、カスタマイズ可能なファンクション(Fn)キーを挙げています。Fnキーの設定にはLogi Options+アプリ(Windows/macOS用)を使います。45%以上の再生プラスチックを使用していることも書かれています。対応OSはWindows 10・11以降、macOS 11以降、iPadOS 14以降、iOS 14以降、Android 9.0以降で、ChromeOS・Linux・Chromebookでも動作すると書かれています。
ロジクール MX Keys S
公式ページには、手を感知する近接センサーでバックライトがオンになること、周辺光センサーでバックライトの明るさを調節することが書かれています。バックライトの設定によって電池の持ちが変わる点は表(2)のとおりです。対応OSはWindows 10・11以降、macOS 10.15以降、iPadOS 14以降、Android 8.0以降などで、LinuxとChromeOSも挙げられています。Macの暗号化機能FileVaultを有効にすると、ログイン前にBluetooth機器がつながらないことがあるため、Logi Bolt USBレシーバーの購入をすすめる、と公式に書かれています。
エレコム TK-FBP102BK
公式ページは、最薄部6.5mmの薄型・軽量Bluetoothパンタグラフミニキーボードと説明しています。13種類のマルチファンクションキーを備え、Windows・Android・Macintosh・iOSそれぞれに最適化した入力モードを搭載し、電源スイッチとLEDランプが付いています。仕様欄には「iOSのかな入力には対応していません」と書かれています。電波到達距離は、鉄の机などの上で約3m、木の机などの上で約10mで、当社環境でのテスト値であり保証値ではないと書かれています。
エレコム TK-FBM120KBK
公式ページは、抗菌仕様の薄型Bluetooth 5.0フルキーボードと説明しています。大型のエンターキー、独立して配置されたDeleteやInsertなどの特殊キー、傾斜角を2段階で調整できる角度調整スタンド、13種類のマルチファンクションキーが挙げられています。仕様欄にはiOS・iPadOSではかな入力に対応していないと書かれています。
条件別の考え方
- デスクの上やカバンのなかの場所をとりたくない場合:幅の数値が小さいのは、ロジクール K380s(279mm)とエレコム TK-FBP102BK(286.5mm)です。MX Keys S(430.2mm)とTK-FBM120KBK(441.5mm)は、それより100mm以上大きい数値です。
- 数字を大量に入力する場合(請求書や経費の入力など):109キーと公式に書かれているのはエレコム TK-FBM120KBKです。MX Keys Sは幅が430.2mmですが、テンキーの有無やキー数は取得した公式ページに記載がなく、購入前の確認が必要です。
- パソコン・タブレット・スマートフォンを切り替えて使う場合:4製品とも3台まで登録できると公式に書かれています(ロジクールは「最大3台」)。iPhoneやiPadでかな入力をしたい場合は、エレコムの2製品が仕様欄でかな入力に非対応と書いている点に注意が必要です(TK-FBP102BKはiOS、TK-FBM120KBKはiOSとiPadOS)。ロジクールの2製品の公式ページには同様の記載を確認できませんでした。
- 電池の交換と充電、どちらが手間でないか:K380sとエレコム2製品は乾電池式(K380sは単四2本、TK-FBP102BKは単4形2本、TK-FBM120KBKは単4形1本)、MX Keys SはUSB-Cで充電する方式です。
- 保証期間を重視する場合:ロジクール2製品は2年間、エレコム2製品は6カ月間と、公式に書かれています。
- 暗い場所で使う場合:MX Keys Sの公式ページには、近接センサーによるバックライトのオンと、周辺光センサーによる明るさの調節が書かれています。
- とにかく表示価格をおさえたい場合:表示価格が最も低いのはロジクール K380s(5,280円・税込)です。ただし、幅・キー数・電源・保証は上の表のとおり製品ごとに違うため、価格だけでなく条件が合うかどうかを確認してください。MX Keys S(21,780円・税込)との価格差が何に見合うかは、この記事では判断していません。
使用例(架空の例です)
以下は、条件ごとの考え方を見やすくするための架空の例であり、実際の使用体験や実測のレビューではありません。
Cさん(架空)は、自宅ではデスクトップPCを使い、外出先ではノートPCとタブレットを使うフリーランスです。月末は請求書と経費の数字入力が増えます。この場合、確認したい項目は「テンキーがあるか(キー数)」「同時に登録できる台数」「持ち運ぶ頻度に対して幅は許容できるか」「保証期間」の4つです。表を見ると、109キーと公式に書かれているのはTK-FBM120KBKで、幅は441.5mmです。一方、幅の数値が小さいK380sとTK-FBP102BKは持ち運びの条件には合いますが、K380sのキー数は公式ページに記載がなく、TK-FBP102BKは78キーです。数字入力が多い作業に足りるかどうかは、購入前に確認が必要です。数字入力の多さと持ち運びの頻度のどちらを優先するかで、選ぶ製品が変わります。
購入前に確認したいこと
- お使いの機器(Windows・Mac・iPhone・iPadなど)の種類とOSのバージョンが、公式ページの対応OSに入っているか
- キーピッチ・キーストロークなどの数値が必要な場合は、公式ページに記載があるか(記載がない製品は、販売元に問い合わせるなどして確認する)
- 保証期間と、販売時点の価格・在庫(この記事の価格は2026年10月3日時点の公式ページ表示です)
出典(公式ページ・確認日 2026年10月3日)
- ロジクール Pebble Keys 2 K380s:https://www.logicool.co.jp/ja-jp/shop/p/pebble-keys-2.920-011767
- ロジクール MX Keys S:https://www.logicool.co.jp/ja-jp/shop/p/mx-keys-s.920-011602
- エレコム TK-FBP102BK:https://www.elecom.co.jp/products/TK-FBP102BK.html
- エレコム TK-FBM120KBK:https://www.elecom.co.jp/products/TK-FBM120KBK.html
除外した製品:エレコム TK-FBP014BKは、公式ページに「販売終了」と表示されているため対象外としました。

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